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執筆者の写真Narumi

映画『ビリーブ 未来への大逆転』を観て考えた我々の仕事とジェンダー。


私はトレーナーと管理栄養士として活動しています。


トレーナーは男性が多く、管理栄養士は女性が多い。

これまでこの割合に関しては深く考えたことがありませんでした。


そこで、少しだけ国内の割合について調べてみました。

自身の仕事を例に挙げたのちに、映画を観て考えたことを書いていこうと思います。



トレーナーという仕事はとても大きな枠組みで、治療を目的としたサポートなのか、パフォーマンス向上を目的としたサポートなのか、外見的変化を目的としたサポートなのか、他にも多様な働き方が存在します。

それぞれの働き方によって男女の割合は変わってくるということ、トレーナーという仕事の歴史がまだまだ浅いことを前提として資料を見てみたいと思います。


公益財団法人日本スポーツ協会が2018年7月2日~2018年7月31日に行った『第一回 日本のトレーナー実態調査』によれば、男性78.7%、女性21.3%でした。


●調査対象

日本国籍を持つ 20 歳以上で以下の①②③のいずれかの条件を満たす人:

  1. 日本国内外に居住する AT 資格者保有者

  2. 職業としてトレーナー活動を行っている人(資格の有無にかかわらない)

  3. トレーナー活動を何らかの形で行っている人(資格の有無にかかわらない)

●調査回答者総数

1294名





管理栄養士・栄養士という仕事も働き方は様々で、最近はフィットネスジムやパーソナルジムでの栄養士募集も増えてきたように感じます。

平成7年の国勢調査で少し古い調査結果ですが、栄養士は96.3%が女性という割合でした。

令和に入り、割合は変化しているとは思いますが、9割以上の結果から急に5割以下になることはないでしょう。


●栄養士

栄養士の免許を有し,栄養指導,栄養相談,給食施設における献立の作成・栄養価の計算・特別治療食の調理・その他これらに伴う食事相談・し(嗜)好調査・栄養摂取状況調査などの栄養指導の仕事に従事するものをいう。

○ 栄養士,栄養指導員,管理栄養士,学校栄養職員


資料:総務庁「平成7年国勢調査」(抽出速報集計結果)、職業分類



ここまでの調査結果については生物学的性別をさしており、社会的・心理的性別で調査を行うとまた変化があるのかもしれません。



それでは映画について触れていきます。


映画『ビリーブ 未来への大逆転』は女性弁護士ルースが性別により、仕事や生活に適切と言えない差があることを訴え、家族や仲間たちと問題に立ち向かうストーリーです。


時は1970年代、アメリカ。女性が職に就くのが難しく、自分の名前でクレジットカードさえ作れなかった時代に、弁護士ルース・ギンズバーグが勝利した、史上初の〈男女平等〉裁判。なぜ、彼女は法の専門家たちに〈100%負ける〉と断言された上訴に踏み切ったのか?そして、どうやって〈大逆転〉を成し遂げたのか?
貧しいユダヤ人家庭に生まれたルース・ギンズバーグは、「すべてに疑問を持て」という亡き母の言葉を胸に努力を重ね、名門ハーバード法科大学院に入学する。1956年当時、500人の生徒のうち女性は9人で、女子トイレすらなかった。家事も育児も分担する夫のマーティンの協力のもと首席で卒業するが、女だからというだけで雇ってくれる法律事務所はなかった。やむなく大学教授になったルースは、70年代になってさらに男女平等の講義に力を入れる。それでも弁護士の夢を捨てられないルースに、マーティンがある訴訟の記録を見せる。ルースはその訴訟が、歴史を変える裁判になることを信じ、自ら弁護を買って出るのだが──。

私はこれまでの人生で性別による適切と言えない、悔しい思いをしたことはパッと思い浮かびません。


子どもの頃はサッカーや野球、空手など男の子の方が多くプレイしているスポーツが好きで、周りもそこまで気にすることなく自由に参加させてくれました。

トレーナーとして活動が始まり、セミナーや現場で男性の中に一人という環境がほどんどでしたが、そこにいたトレーナーの先輩・仲間や選手は「女だから」という点で下げた見方をする人はいませんでした。



現在の私がこのように生きることができているのは、これまで立ち向かってきた人たちがいたからだと強く感じています。



生物学的差により、得意とする分野は確かに存在します。

体格やライフステージなど変えようのない限度というものはあります。


しかし、これまで得意でないと定説されている分野においても、くつがえることがあるかもしれません。



ある仕事は男性が多く、ある仕事は女性が多い。

こんな定説が社会的・文化的背景の起因によりマイノリティとされているのであれば、それは変化していくべきものだと考えます。


社会的・心理的性別においても言えることで、マイノリティとされる側の人はそれだけで注目されたり、拒絶されたりする場合もあります。


人にはそれぞれの正義が存在し、自身と異なるものを未知という名の不安・恐怖から逃れるために否定してしまうこともあります。



女LGBTQ、階級、人種、財力、民族、年齢、、、キリがないほど存在する差別的文化。



アスリートで突出した能力を発揮した選手は、いわゆるその分野での『マイノリティ』な存在なのだと思います。

この場合のマイノリティは称賛されます。


同じ少数派なのに不思議なものです。


ただ、このように言葉を並べられるのは現代にありがたい環境下で生まれ育ったから言えることです。



戦うのならもっと別のことで戦い、向上し合える世界に進んでいってもらいたいと願います。



映画『ビリーブ 未来への大逆転』を観て改めて考えるきっかけとなり、私の中には『感謝』という言葉が初めに表れました。





追記:映画『グリーンブック』も差について考えさせられる素晴らしい作品でした。




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